JP Circularity in the Built Environment 2025

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循環型改修事業の採算性は、改修事業のバリ ュー チ ェーン全体で循環型の取り組みを拡大する際の鍵 となるが、その可能性についてはさ らに深掘りする 必要がある。改修ではエネルギー消費が抑制され るため、作業コス トは確実に低く なるものの、最初 に循環型取り組みを導入する際の初期費用は高く つ く 場合がある。こ う したコス トは、丁寧な解体作業、 厳密な分別作業、さ らには再利用と リサイ クルを手 がける専門施設への輸送といった手間のかかる工 程によ って発生する。 これに加え、都市部のよ うに人口が密集し、倉庫や リサイ クル施設が限られているエリ アでは、スペー スの制約がコス トに影響を与え ている 。例えば、 太陽パネルのよ うなグリーンエネルギーへの投資 は、平均して 6 ~10 年ほどで回収するこ とができ る50のに対し、改修事業の投資回収期間は内容に よ って大幅に異なる(例えば断熱材では 10 年以上 かかるが、取付器具では平均 6 年ほどで投資回収 が可能である)51。 将来的に、循環型改修事業コス トを評価、最小値を 把握し、循環型バリ ューチ ェーンへの移行に最もコ ス ト効率の良い道筋を洗い出さなければならない。 サーキュラー・アプローチを加速させるには、埋 め立てコス トが高止ま りする、または上昇し続ける 一方で、規模の経済、効率化、技術革新によ って 、 再利用やリサイ クルのコス トが下がる必要がある。 さ らに、免税、脱炭素補助金、カーボンプライスな どの規制制度があれば、サーキュ ラー・アプローチ を選択する事業計画を裏付けるものとなるだろ う 。 例えば、欧州では 2027 年に、建物と道路交通を対 象とする二酸化炭素排出量取引制度をそれぞれ導 入する予定である52。 結論と して、 循環型改修事業は長期的に多く のメ リ ッ トをもたらす一方で、その採算性は費用構造の分 析、技術革新、そ して規制的支援の組み合わせに 左右される。また、既存の建築資材や部材を活用 する可能性を踏まえ、サーキュラ リテ ィ を実現する 改築工事が新築工事よ り も現実的であるかど うかを 分析するこ とも必須である。こ う した要素に対応し、 循環型改修事業の費用対効果を明確に定量化し 、 発信するこ とができれば、ステークホルダーは改修 事業および建造環境全体のサーキュ ラ リテ ィ のポテ ンシャルを最大限に引き出し、よ り持続可能で強靭 な未来への道を切り拓く こ とができるだろ う。循環型改修事業の採算性 建造環境におけるサーキュラリティ : 改修事業の新たな可能性を切り拓く 25
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