JP Circularity in the Built Environment 2025

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はじめに サステナブルな建造環境への移行は、自然エコシ ステムの保護、パリ協定に沿った二酸化炭素排出 量の削減、気候変動の影響の緩和に欠かせません。 急速な都市化によ って 、環境や気候への負荷は増 加の一途をたど っています。その状況について国連 は「世界では毎週、パリ と同規模の都市を新たに 建設している」と報告しています1。 グローバル社会がサステナブルかつレジリエンスの 高い建造環境を目指す中で、既存の建物を改修す る必要性がますます認識されるようになりました。 老朽化した建物の多く はエネルギー効率が悪く 、資 源を多く 消費します 。しかし、その事実は課題だけ ではなく 、新たな可能性も示しています 。改修事業 は資源の節約、二酸化炭素排出量の削減、居住者 の生活の質の向上を図るこ とができます。 改修事業では、すでに実用化されている技術やソ リ ューシ ョ ンの活用が可能となり ます 。これに加え 、 ネッ トゼロ排出の達成についても経済的に中立、あ るいはむし ろ収益性を伴って実現できる場合が多い のです2。建造環境が、世界のエネルギー関連の二 酸化炭素排出量に占める割合は約 40% であ り 、その う ち 25% 以上が建物の運用から発生したものだとさ れています3。そのため、改修事業は建物や建築業 界の二酸化炭素排出量削減に向けた非常に大切な 一歩です 。さ らに、建造環境全体の規模を踏まえ る と、建築ス ト ッ クの酸化炭素排出量削減は、も っ と包 括的なエネルギー移行の取り組みよ り も、費用対効 果の点で優れている可能性すらあ り ます。改修事業には不動産オーナー、設計者、メーカー、 リ ノベーシ ョ ン業者など、様々な分野のステークホ ルダーが関与します 。と こ ろが、近年増え ている改 修案件に必要な資材を持続可能なやり方で調達す る方法を、建設業界はまだ手探り しています 。改修 事業で有望なサーキュ ラー(循環型) ・アプローチ では、すでにある資材を保持、再利用、リサイ クル してバージン原料の採掘をできるだけ抑え、効率の 良い資源の再利用と二酸化炭素排出量削減を目指 しています。 世界経済フ ォーラムがマッキンゼー・アン ド・カン パニーの協力を得て発表した前回の白書では、建 造環境におけるサーキュ ラ リテ ィ (循環性)の可 能性について検討。その中で、6 つの主要建築資 材で 、ビジネス価値の創出と二酸化炭素排出量 削減を同時に達成できる可能性が示されま した4。 本白書では、改修事業という重要なサブ市場におけ るサーキュラリテ ィについて考察し、ステークホル ダーが今後取り得る具体的取り組みを概説します。 すべての地域社会メンバー、および同フ ォーラムの イニシアチブリーダーたちの貴重な貢献に感謝し ます 。成長を続ける建物改修事業市場において 、 本白書が官民両セク ターのリーダーたちにと って 、 循環型の取り組みを導入する際の指針となり 、着想 のヒントをもたらすことを願っています。フェルナンド・ゴメス 世界経済フ ォーラム 自然と気候部門 資源システムとレジリエンス長 セバスチャン・ライター マッキンゼー・アンド・ カンパニー、パートナーユカ・マクシマイネン マッキンゼー・アンド・ カンパニー シニア・パートナー ユルゲン・サン ドス トローム 世界経済フ ォーラム エネルギーとマテリ アル部門 産業エコシステム変革長 建造環境におけ るサーキ ュ ラ リ テ ィ : 改修事業の新たな可能性を切り拓く January 2025 建造環境におけるサーキュラリティ : 改修事業の新たな可能性を切り拓く 3
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