JP Circular Transformation of Industries 2025
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サ ー キュラリティから価 値 へ
気候変動による危機と持続不可能な資源消費は、
地球にと っても、企業や産業の長期的な生産性に
と っても、その存続を脅かすものとなっている。現
在のペースでは、人間は毎年、地球が補給できる量
の 1.7 倍の天然資源を消費しているこ とになる5。こ
の過剰消費は近い将来供給シ ョ ッ クを引き起こ し、
重要な原材料の不足を招く こ とになるだろ う。
この課題に対し、 本白書で探求する解決策がサーキュ
ラー・エコノ ミーである。これは、製品の耐用年数
を延ばし、ア クセスの共有化によ って利用率を高め、
バージン原料を循環型原料に置き換え るこ とを軸と
するものだ。サーキュラー・トランスフォーメーショ
ンは、現在の世界で用いられているビジネスモデル
を変革し、産業を根本的に作り変え ていく だろ う。
サーキュラリティはあらゆるステークホルダーに多
大な価値をもたらす可能性がある。循環型ソ リ ュー
シ ョ ンによ り 、 製品が排出する温室効果ガス(GHG)
の削減が可能になるからだ。事実、エレン・マッ
カーサー財団は、循環型ソ リ ューシ ョ ンが主要な 4
素材(プラスチック、 アルミニウム、 セメント、 鉄鋼)
に適用されれば、2050 年までに新製品の生産によ
る排出量を 40% 削減できる と予測している6 。
また、リデュース、リユース、リサイクルにより、製
品の交換頻度を減ら し、廃棄物の発生量を軽減し、
汚染を低減して、生物多様性を守るこ とができる7。
さらに、 サーキュラリティはイノベーションと雇用
を促進するこ とで、社会にポジテ ィ ブな影響を与えるこ とが可能である。国際労働機関(ILO)による
2019 年の予測では、従来型のビジネスを続けた場
合に比べて、サーキュラー・エコノミーは 2030 年
までに世界中で 700 万~ 800 万人の新規雇用を生
み出す可能性がある8。事業環境においては、循環
型モデルは新しい収益源を生み出し9、企業に競争
力を与え、既存の直線型モデルを上回る収益性と レ
ジリエンスをもたらすことができる10。
サーキュ ラー・エコノ ミーへの移行は多面的なプロ
セスであ り 、 政策立案者から学者、 科学者、 イノベー
ター、そしてバリューチェーン全体まで、多くの参
加者が必要だ11。その中で企業は、サプライヤーと
顧客の双方に循環型の取り組みを導入するよ う促す
こ とができる独特な立場を生かして、サーキュ ラー ・
トランスフォーメーションの勢いを加速させることが
できる12。
本白書では、サーキュ ラ リテ ィ が環境や社会にもた
らす多大なメ リ ッ トを認識しつつ、サーキュ ラー・ ト
ランスフ ォーメーシ ョ ンが企業に大きな経済価値を
どのよ うにもたら し得るのかを実証し、その価値を
獲得するための実現戦略を説明するこ とに重点を置
いている。循環型ビジネスモデルへの移行には
ト レー ドオフが伴い、 大量の資源に加え、
発想の転換も必要になる。
産業のサーキュラー・トランスフォーメーション: 真の経済価値を解き放つ
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