JP Circularity in the Built Environment 2025

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バリ ューチェーンにおけるステークホルダー BOX 5 オーナー とは、住宅所有者、事業体、政府などで ある。オーナーは改修事業の必要性を認め、エネ ルギー効率改善と循環型建築資材の使用について の具体的な目標を定める。 投資家は改修事業のための融資といった資金調 達オプシ ョ ンを提供し、投資ポー ト フ ォ リオの中で サーキュ ラ リテ ィ を最優先事項に位置付けるこ と ができる。循環型改修事業市場では、オーナーと 投資家を合わせた収益機会のシ ェ アは全体の 5 ~ 10% を占めると見込まれる。 設計者、プラ ンナー には、改修事業建築家などが 含まれる。彼らは建築資材や既存構造を可能な限 り残し、再利用する設計ソ リ ューシ ョ ンを提案する。 また、ライフスタイル全体の分析を実施し、内包二 酸化炭素と工事作業時に発生する二酸化炭素排出 量を定量化する。さ らに、将来的の循環型改修事 業を見据えた新築建物の設計においても、重要な 役割を果たすこ とになる。 断熱材メーカーをはじめとする資材・部材メーカー は、改修事業における収益機会の最大 35%を占め ると予測されている。このカテゴリのステークホル ダーは、需要に見合った循環型建築資材や部材の 供給という重要な役割を果たす 。2024 年の調査に よると、意思決定者の 60%近く が、2030 年までにグリーン資材の不足を見込んでおり 、グリーン資材に 追加の上乗せ料金を支払う意向を示している37 。 空調設置業者などの アップグレード業者、リノベー ション 業 者 は、循環型改修事業市場における収益 機会で最大のシ ェ ア(30 ~ 45%)を占める。彼ら は、建築ス ト ッ クの状態を評価し、改善が必要なエ リ アを見極め、エネルギー効率の高い技術を導入 し、構造強化を図る責任を担う。 流通業者、物流業者には、照明や制御装置の販売 業者などが含まれる。彼らは、建築資材の輸送や 処理を手配する役割を果たす 。例えば、改修事業 から発生した廃材を撤去し、再利用やリサイ クル施 設に輸送する作業などがある。 廃棄物処理業者は建設や解体から発生した廃材を 管理し リサイ クルする。有用な建築資材は回収し、 サプライチェーンに再び取り入れることで、 環境負 荷の軽減を徹底して行う。 入居者は、 循環型戦略を多数取り入れた改修ビルを 選択、入居するこ とができる。施設管理者など 運営 者もまた改修物件におけるエネルギー消費パター ンに影響を与え る重要なステークホルダーであり 、 二酸化炭素排出の削減実現に欠かすこ とのできな い役割を果たしている。 循環型改修事業から新たな機会が見込まれる一方 で、克服すべき課題もある。建築ス ト ッ ク資産に関 するデータが入手困難だと 、建物のマッピングや建 築資材のテス ト作業にかかる時間が長引く 可能性が ある。また、分解を前提と した仕組みはまだ、建築 ス ト ッ クには広く 導入されていないため、ダメージを 与えずに建築資材を除去し、再利用可能な状態に整 備するこ とが難しい。さ らに、既存建築資材の再認 証や保証延長における責任分担が、改修事業に関わ る様々なステークホルダーの間で曖昧なままである。 こ ういった点を踏まえ、ステークホルダーは改修事 業におけるサーキュ ラ リテ ィ の価値を引き出す 7 つ の重要テーマに取り組めばよい(図 8) 。ステーク ホルダーによ って各テーマの重要度は異なる。「重要度が高い」とは、そのテーマへの取り組みが 循環型バリ ューチ ェーンへの移行に不可欠であるこ とを意味する。例えば、設計者は、設計手法の変 更に重要な役割を果たす。オーナーや投資家はこ う した変化を強く 求める役割を担う。 「重要度が低い」とは、 テーマそのものは重要でも、 そのステークホルダーの役割が中心的ではなく 、補 助的である場合を指す 。例えば、メーカーは革新 的な循環型建築資材の安定供給を確保するこ とで、 間接的に設計を支援するこ とができる。テーマの中 には建造環境全般の広い範囲で重要度の高いもの もあるが、改修事業特有のものもある。各ステー クホルダーがと るべき取り組みの詳しいリ ス トを、 付録に掲載する。 建造環境におけるサーキュラリティ : 改修事業の新たな可能性を切り拓く 19
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