JP Putting Skills First 2024

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エグゼクティブ ・ サマリー 先進国全体で労働市場のひ っ迫が進み、さ らなる人 材不足が生 じ る こ とが見込まれる。デ モ グ ラフィック ス(人口統計学的属性)の変化と グリーン ト ランジ シ ョ ンおよびデジタル トランジシ ョ ンが影響を及ぼ すからである。ただ、その中であっても、人材のス キルと業務のマッチングを従来よ り も効率良く 行う こ とができれば、人材採用と育成には計り知れない 機会がある。しかしその機会のほとんどがまだ、活 かされていない。 企業の 60% が、ローカル労働市場のスキルギ ャ ッ プは事業変革の足かせにな っ ている と述べる 。これ は、グローバルで見ても障壁の筆頭に挙げられる。 今後 5 年間の人材確保について見通しは明るいと 報告した企業は 39% にと どま り 、人材確保や人材 育成についての楽観的な期待にははるかに及ばな い。多く の企業がすでにスキルへのニーズを軸とす る自社人材の育成へと方向転換を進めているが、よ り柔軟な雇用を大胆に導入した企業はほとんどな い。スキルフ ァ ース トの採用は単なる人事プロジ ェ ク トではなく 、企業変革の鍵なのである。 従業員の 46% が、自身が取得 した公的資格は担当 業務と関連性がない と答え ている 。一方、学位要件 を外せば組織に優秀な人材を確保しやす く なる と確 信するグローバル企業はわずか 6% だ。学位要件 がも っ と柔軟になれば優秀な人材確保ができる と考 え る傾向が強かったのは、農業、天然資源、宿泊 施設、飲食、レジャー、自動車、航空宇宙、医療・ ヘルスケアといったセクターだ。 企業は、特殊な業界の出身者や社会的マイ ノ リ テ ィ の中でも豊富なスキルを持つ応募者層に よ り 幅広く アクセスし、 採 用 するべきだ 。革新的なスキルベー スの評価は、職歴や経験に基づく 評価に依らない、 効果的な手段である 。従業員の 58% が、自分に は資格や職歴でははっき り と伝え られないスキルが ある と考え、46% が雇用主は職歴を重視しすぎて 、 スキルにはま ったく 注意を払って く れていないと感 じている。 個人的なネ ッ ト ワーク 、いわゆる人脈やコネは依然と し て雇用判断に多大な影響を与え ている。 従業員の 51% が、適切な人脈がないために就職やキャ リ ア の機会を逃したこ とがある と感じている。その要素 がよ り色濃く からむのが金融サービス、IT、デジタ ル通信、消費財の小売や卸売セク ターだ。因習的 な特権の目印よ り、 スキルを優先させるスキルフ ァー ス トのアプローチは、よ り公正に職に就ける新しい 扉を開く 。 「誰を知っているか」ではなく 「何を知っ ているか」で判断するのだ。スキルファーストのカルチャーを取り入れると、 従業 員はスムーズにデジタルトランジシ ョンに適応するこ とができる。 調査対象従業員の 58% が、担当業務 に求められるスキルは今後 5 年間で大き く 変わる と 考え 、66% はそのとき担当業務に求められるスキ ルがどのように変化するかをはっきりとイメージで きる と感じている。その混乱の大半は AI (人工知能) とビッ グデータが引き起こす 。これに続く のが創造 的思考と分析的思考だが、この領域こそ、従業員は 自分たちに今後求められるこれらのスキルの重みを 過小評価しかねない。 グリーントランジションを先 取り しようとする企 業 は、 スキルフ ァース トのアプローチを導入する必要があ る。 今いる従業員にと ってグリーンスキルが重要 だと考え ている企業はわずか 16% であるものの、 42% が今後 5 年間で重要性が増す と答え、21% が 自社人材のグリーンスキル育成を今後の戦略的重点 に据え る と答えた。また従業員は、39% が今後 5 年 間でグリーンスキルはキャ リ アア ッ プにおいて重要 になると答え、47% がグリーンスキルを磨くために 必要になるツール、リ ソース、機会は今の雇用主 が与えてく れると断言している。 企業カルチャーをスキルフ ァース トのアプローチにシ フトする場 合、 経 営 陣によるサポート、 人 事プロフ ェッ シ ョ ナルによるガバナンスの両方が必要である。 本 レポートで紹介する「スキルファーストのライ トハウ ス」はいずれも、成功に導いた主要因を洗い出し たケーススタデ ィ である。そこ ではスキルが企業戦 略の一部でなく てはならず 、リーダーたちはそのス トーリーを社内に伝え、プロセスの変更を進めなが ら企業風土の変革を進めなければならない。プロ グラムが拡大し、企業のあらゆる部門に機会が与え られるよ うになったら、数年間にわたって継続的に 反復するフ ィ ー ドバッ クが求められる。こ こ での変 化は包摂的かつデータ主導であるべきであ り 、主要 業績評価指標(KPI)に基づく アカウンタビリテ ィ が 必要である。スキルを最優先とするニーズと機会が揃い、 リーダーたちが大胆に、 企業変革に着手する時が来た。 ス キ ル ファースト: 効率的かつ公平な労働市場構築の機会 4
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